長野市青木島の障がい者A型就労支援施設『株式会社なから』です。
自分はこちらで働くようになってから、体調も安定し、趣味の書き物についても少しずつできるようになってきました。
ですので今回は、ちょっと変わったブログ記事を書いていきたいと思います。
10月半ばまで汗ばむような気温だったというのに、長野も急に冷え込みが強くなった。 公園や街路に立つ木々は慌てて紅葉し、ばさばさと葉を落として冬支度に入っている。 そんなこの頃、私はラーメンを作った。
と言っても、麺もスープも市販のもの。自分がやったことと言えば、盛り付けを店を参考におしゃれにしたり、ねぎを刻んだり煮卵を作ったことくらいだ。
一つ忘れていた。ねぎは刻んだあと、少し熱湯につけてから水気を切ると、辛味が飛び、甘みをたくさん感じることができる。これを読んでいる方々にもおすすめしたいテクニックだ。
長野というのは、実にラーメンが好きな県に見える。本屋には特集を組んだ雑誌がたくさん売られているし、大きな道路を走れば、チェーン・個人店問わず何件も美味しそうな店が立ち並んでいる、スーパーなどで扱う品数も多い。ラーメン好きな自分としては、嬉しい限りだ。
今回、このブログの場をお借りしてお伝えしたいのは、こしがあって独特の食感が楽しめる、あの黄色い麺のことである。
ラーメンの麺がどのように作られているのか、おおよそ知っている人は多いだろう。小麦粉に水と塩を入れ、練って、場合によってはできた生地を寝かせて製麺……といった感じに。
しかしこの説明では、麺がいつ、どの段階で色があの馴染みのものに変わるのかの説明がつかない。読者の方々に説明するために、ちょっと本を開いてみた。
手元にあった『「栄養管理と生命科学シリーズ」調理の科学』のP118には、中華麺についてこのように書いてある。
『中華麺はこね水にかん水を用いるため、小麦粉中のフラボノイドはアルカリにより黄色化し、タンパク質は編成して独自のテクスチャーが出る。』
……何がなんだかよく分からない。
次に、同じページに有る『かん水』の説明も見てみる。『かん水:K2CO3、Na2CO3。弱アルカリ性で、ドウ中のグルテンの水和や溶解性に影響し、生地の伸展性が増し、時間の経過とともに縮みを生じ硬くもろくなる。でんぷんの粉化温度は高くなり、麺は独特のしなやかさ、つや、香りを持つ。』
……何がなんだかよく分からない。
難しい単語がずらっと並べられている事だけは分かる。なので、上の文章を分かりやすく噛み砕いていこう。
つまり、ラーメンの麺とはこのようなものなのだ。
・小麦粉にかん水を加えてこねたもの。
・かん水とは、弱アルカリ性の液体。
・あの黄色い色は、小麦粉に含まれているフラボノイド(色素の一種、ポリフェノールの仲
間)が、かん水のアルカリに反応して色が変わったもの。
・生地の中に含まれているグルテン、つまり網目状のたんぱく質にかん水が作用して、麺は
よく伸びるようになり、こしや縮れ、綺麗なつや・美味しい香りが生まれた。
このようなベストマッチな働きを見せるかん水と小麦粉がどのように出会ったのかについても歴史はあるが、今回はラーメン麺の説明のみに重点を置き、この辺りでタイプをやめよう。
因みに、ドウとは小麦粉を練って作られる塊状の生地のことである。
水気の多い生地はバッター。天ぷらに使うバッター液の呼び名もここからだ。
これから寒さは厳しくなるばかり。熱
いラーメンで暖を取るという機会も増えていく。そんな時、麺に秘められた不思議な化学反応について思い巡らせていただけると幸いである。
……そして、この『株式会社なから』のブログ記事についても思い出していただければと思う。
自分が上のような文章を書いても、就労支援施設『なから』の皆様は笑顔で受け入れてくださいました。嬉しいことです。 近くに緑も多く、室内は明るく暖か。落ち着いた環境で作業に取り組める楽しい場所です。
よろしければ皆様も見学などお気軽にどうぞ。
その際は、電話などによる事前の連絡をお願いします。
電話番号はこちら→026‐254‐7523
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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